【2024年2月時点】米国高配当ETF(SPDY・VYM・HDV)を比較

資産運用
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高配当株投資をしている人は、米国の成長や個別銘柄のリスク分散の観点から、米国高配当ETFの購入を一度は検討したことがあると思います。

今日は、そんな米国高配当ETFのうち、特にメジャーなSPDY・VYM・HDVを比較してみたいと思います。

これらはいずれも新NISA(成長投資枠)で購入可能な銘柄ですので、購入を迷っている方の参考になれば幸いです。

この記事のポイント
  • VYMは組入銘柄数と時価総額が高く、リスク分散性・流動性の高い銘柄と言えそう。
  • 利回りはSPYDが5%越と高いが、指数のパフォーマンス(値上がり率)と増配率は他の指数より低い。
  • 総合すると、一つだけ選択するのであればVYMを主軸に購入を考えるのが良さそう。

SPDY・VYM・HDVの概要

まずは、SPDY・VYM・HDVについて、運用会社や連動する指数、指数の決まり方について簡単にまとめます。

各銘柄についてご存じの方は、次の項目(各銘柄の比較)まで飛んでいただいて構いません。

SPYDの概要

SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)は、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)社が運用する、「S&P500高配当指数」への連動を目指したETFです。

「S&P500高配当指数は」S&P500を構成する銘柄のうち、配当利回り上位の80銘柄で構成されていて、80銘柄のウェートは時価総額に関わらず殆ど均等となっているのが特徴です。

組入上位銘柄は以下の通りです。

VYMの概要

VYM(バンガード・米国高配当ETF)は、バンガード社が運用する、「FTSE 高配当指数」への連動を目指したETFです。

「FTSE 高配当指数」は。REITを除く配当が平均以上の米国株銘柄で構成されていて、銘柄のウェートは時価総額に連動している(=大型株の比重が大きい)のが特徴です。

組入上位銘柄は以下の通りです。

HDYの概要

HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)はブラックロック社が運用する、「モーニングスター配当フォーカス指数」への連動を目指したETFです。

「モーニングスター配当フォーカス指数」は、配当利回りが高くかつ財務も健全性が高い米国株銘柄で構成されていて、銘柄のウェートは各銘柄の評価に連動しているのが特徴です。

組入上位銘柄は以下の通りです。

概要のまとめ

上記をまとめると以下の通りです。

SPDY・VYM・HDVの比較

それでは、本項ではSPDY・VYM・HDVの各データについて比較をしていきたいと思います。

SPDY・VYM・HDVの基礎データの比較

基礎データを比較した表が以下の通りです。

表から読み取れること
  • 経費率はVYMが0.06%と最も低いが、SPYD・HDVもそれに次ぐ低さで、大差はない。
  • 組入銘柄数と時価総額はVYMが頭抜けて大きく、リスク分散性・流動性の高い銘柄と言えそう。
  • 利回りはSPYDが高いが、一方でパフォーマンス(値上がり幅)は低く、配当が上がる一方で株価(単価)が上昇についてこない結果とも捉えられる。

SPDY・VYM・HDVの組入セクター比較

組み入れセクターを比較した表が以下の通りです。

表から読み取れること
  • SPYDは不動産、金融、公共事業のセクター割合が大きい。
  • VYMは金融、生活必需品、ヘルスケア、資本財のセクター割合が大きい。(REITが除かれているため不動産の割合が低い。)
  • HDVはヘルスケア、エネルギー、生活必需品のセクター割合が大きい。(こちらも不動産の割合は非常に低い。)

SPDY・VYM・HDVの分配金推移比較

2016年以降の分配金推移を比較した表が以下の通りです。

単価が異なるため、分配金の金額が異なるのは当然ですので、比較しやすいように2016年を100%とした際の分配金の増減率を記載しました。

SPYDの運用開始が2015年10月のため、年で比較可能なデータはこれが全てだと思います。

増減率について、分かりやすいように以下の通りグラフにしました。

表から読み取れること
  • VYMは2016年以来安定して増配。この8年間で分配金は1.6倍近く上昇。
  • HDVも2021年(コロナショックに直面のタイミング)を除いて増配。この8年間で1.4倍を超える増配率。
  • SPYDは2016年の設定来、増配と減配を繰り返し、この8年間で1.2倍の増配率。

比較した所感

今回比較をして、VYMのリスク分散性や流動性の大きさや、増配率の大きさがよくわかりました。

SPYDは、足元の利回りは高いですが、足元までの増配率は他の指数より低く、またパフォーマンス自体も低いのが気になります。

REIT指数が株式の上昇に対しては上昇幅が少ないことも影響しているのかもしれません。

HVDは時価総額や組入銘柄の数は大きくありませんが、VYMに次ぐパフォーマンスや増配率を達成しているので、投資セクター(ヘルスケア、エネルギー、生活必需品)に魅力を感じる方は選択に加えて良いかもしれません。

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