高配当株投資をしている人は、米国の成長や個別銘柄のリスク分散の観点から、米国高配当ETFの購入を一度は検討したことがあると思います。
今日は、そんな米国高配当ETFのうち、特にメジャーなSPDY・VYM・HDVを比較してみたいと思います。
これらはいずれも新NISA(成長投資枠)で購入可能な銘柄ですので、購入を迷っている方の参考になれば幸いです。
SPDY・VYM・HDVの概要
まずは、SPDY・VYM・HDVについて、運用会社や連動する指数、指数の決まり方について簡単にまとめます。
各銘柄についてご存じの方は、次の項目(各銘柄の比較)まで飛んでいただいて構いません。
SPYDの概要
SPYD(SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF)は、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)社が運用する、「S&P500高配当指数」への連動を目指したETFです。
「S&P500高配当指数は」S&P500を構成する銘柄のうち、配当利回り上位の80銘柄で構成されていて、80銘柄のウェートは時価総額に関わらず殆ど均等となっているのが特徴です。
組入上位銘柄は以下の通りです。
VYMの概要
VYM(バンガード・米国高配当ETF)は、バンガード社が運用する、「FTSE 高配当指数」への連動を目指したETFです。
「FTSE 高配当指数」は。REITを除く配当が平均以上の米国株銘柄で構成されていて、銘柄のウェートは時価総額に連動している(=大型株の比重が大きい)のが特徴です。
組入上位銘柄は以下の通りです。
HDYの概要
HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)はブラックロック社が運用する、「モーニングスター配当フォーカス指数」への連動を目指したETFです。
「モーニングスター配当フォーカス指数」は、配当利回りが高くかつ財務も健全性が高い米国株銘柄で構成されていて、銘柄のウェートは各銘柄の評価に連動しているのが特徴です。
組入上位銘柄は以下の通りです。
概要のまとめ
上記をまとめると以下の通りです。
SPDY・VYM・HDVの比較
それでは、本項ではSPDY・VYM・HDVの各データについて比較をしていきたいと思います。
SPDY・VYM・HDVの基礎データの比較
基礎データを比較した表が以下の通りです。
SPDY・VYM・HDVの組入セクター比較
組み入れセクターを比較した表が以下の通りです。
SPDY・VYM・HDVの分配金推移比較
2016年以降の分配金推移を比較した表が以下の通りです。
単価が異なるため、分配金の金額が異なるのは当然ですので、比較しやすいように2016年を100%とした際の分配金の増減率を記載しました。
SPYDの運用開始が2015年10月のため、年で比較可能なデータはこれが全てだと思います。
増減率について、分かりやすいように以下の通りグラフにしました。
比較した所感
今回比較をして、VYMのリスク分散性や流動性の大きさや、増配率の大きさがよくわかりました。
SPYDは、足元の利回りは高いですが、足元までの増配率は他の指数より低く、またパフォーマンス自体も低いのが気になります。
REIT指数が株式の上昇に対しては上昇幅が少ないことも影響しているのかもしれません。
HVDは時価総額や組入銘柄の数は大きくありませんが、VYMに次ぐパフォーマンスや増配率を達成しているので、投資セクター(ヘルスケア、エネルギー、生活必需品)に魅力を感じる方は選択に加えて良いかもしれません。